TODAY'S SONG

なつエモ

懐かしくてエモい洋楽HITsをゆるっと紹介します。

天ラブって略してんの俺だけ?◆Little Peggy March『I Will Follow Him』

はじめに

映画『天使にラブ・ソングを…』を皆様はご覧になられたことがお有りでしょうか。金曜ロードショーの予告CMで目にすることはあったのですが、なぜか食指が動かなかった僕が実際にこの映画を観たのはけっこう大人になってからでした。教会で歌ってるシーンばかりCMで流れていましたから、ウーピー・ゴールドバーグ演じるデロリスが酒タバコ男ばっち来いのクラブ歌手だったと知ったときは軽いショックで、イマイチ物語に感情移入できなかったことを覚えています。細い金髪シスターが急に歌うまになるシーンは大好きでした。単に僕が金髪好きであることは関係なく。

改めてウーピー・ゴールドバーグのことを調べてみると、天ラブシリーズを合わせると邦題に「天使」がつく映画に6作も出演しています。これは実質、ウーピーは天使です。

本日は『天使にラブ・ソングを…』の予告CMで流れまくっていた、映画のクライマックスシーンを盛り上げた曲をご紹介します。

Little Peggy March『I Will Follow Him』

アーティストはリトル・ペギー・マーチ。彼女は弱冠14歳でデビューし、1963年、15歳の時に『I Will Follow Him』をリリースします。大人になってからはアダルト・ペギー・マーチの名義で活動していました。嘘です。「リトル」を取って、ペギー・マーチとして活動していました。

原曲は1961年にポール・モーリアが発表した『Chariot(愛のシャリオ)』というインストゥメンタル曲で、そこにペギーが歌詞をつけてリリースしたところ大ヒット。ビルボードHOTで1位に輝き、そのまま「歴代最年少1位獲得」の記録を更新しました。のちにスティービー・ワンダーが13歳で記録を塗り替えますが、女性最年少の座はいまだ彼女のものです。

1992年に、冒頭でお話した『天使にラブ・ソングを…』で使用されると、映画人気との相乗効果でゴスペルソングとして広く知られるようになります。元の歌詞は「愛する男性についていく」という内容ですが、映画で使用されるにあたって「主(キリスト)の仰せのままに」のような歌詞に変更されるといったゴスペルナイズが施されています。

可愛らしく歌い上げるペギー・マーチ版に、ハイテンポなゴスペル合唱曲に大胆アレンジされた天ラブ版『I Will Follow Him』。どちらにもそれぞれの良さがあり、ファンを惹きつけて止みません。個人的にはお風呂の鼻歌にピッタリな曲です。


・・・「ウーピー・ゴールドバーグ」って、名前と苗字のイメージの差すごないですか?
ウーピー
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ゴールドバーグ
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ベーシストを明るくする曲◆Cheryl Lynn『Got To Be Real(ガット・トゥー・ビー・リール)』

はじめに

むかし、コピーバンドを組んでいました。僕はベース担当で、2年くらい活動していたと思います。1度だけライブハウスでライブをした経験もあります。ライブをした直後、燃え尽き症候群で飽きてベースから遠ざかり、バンド活動もおろそかになり自然脱退しました。メンバーには迷惑をかけたと反省しています。しかもバンドメンバー募集掲示板みたいなとこで、募集をかけたのは僕でした。

さて、バンドでコピーしていた曲は、みんな大好きONE OK ROCKやback numberなどのJロック路線でしたが、僕の趣味は今と変わらずなつエモ洋HITsだったので、その中でもベースが効いてるモータウンの曲やディスコナンバーをチョイスし、スタジオで個人練習していました。ベースの個人練習って独特な雰囲気で、重たいベースを抱えて淋しくボンボンやってるとだんだん陰鬱な気分になるものでしたね。ベースとドラムはリズム隊としてタッグで練習することが普通なのですが、ドラム担当が女性だったので、若く繊細だった僕は妙に意識しちゃって「2人で練習しようや」とはよう言えませんでした。

そんな陰鬱で短いベース人生の中で、とりわけ練習が楽しくてアガるフレーズが印象的だった曲をご紹介します。

Cheryl Lynn『Got To Be Real(ガット・トゥー・ビー・リール)』

アーティスト名はシェリル・リン。
1978年にCBSソニーと契約すると同時にリリースされたアルバム『Cheryl Lynn』に収録されたこの曲は、ダンスナンバーとして当時のディスコブームに乗りスマッシュヒットを記録します。当時、ディスコでこれをかけないDJはブーイングを食らいまくってたらしいです。

小気味よいベースグルーヴが含まれていながら、リズム重視のイケイケダンスナンバーというよりは、どちらかといえばメロディー指向の曲であり、これがディスコで流行ったのは、否が応にも期待値が上がるイントロによるものかな、と勝手に解釈しています。

でもやはり特筆すべきは彼女の歌唱力。幼いころから教会でゴスペルを歌っていたという事で、品が良くソウルフルな低音からしっかり張った高音まで、声域もハンパないです。

今なおダンス・クラシックとして語り継がれる『Got To Be Real』。この曲のレコーディングでギターを演奏しているのは、なんと以前『Ghostbusters』で紹介したレイ・パーカー・Jr.。個人的には、一週間の仕事をやり終えた金曜の帰宅中に聴くと、ことさらテンションが上がります。ゴキゲンな週末の始まりだ!的な。

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通い詰めてた本屋で永遠リピートしてた曲◆Billy Joel『Just the Way You Are(素顔のままで)』

はじめに

僕は図鑑や辞典が好きな子供だったので、学校が終わると近所の百貨店に入ってる本屋さんに足繫く通い、立ち読みにふける少年時代を過ごしていました。そんな風だったので友達もあんまりいなかったんですが、友達と公園で遊ぶよりも熱帯地方に棲む虫のひとつでも覚えたほうが面白かったので仕方ありません(今は後悔しています)

で、そのときに本屋で一生流れていた曲があったのですが、子供ながらにええメロディやなと思っていて、ある程度大きくなってから本屋に隣接してるレコード屋で、「いま本屋でかかってる曲は何ですか?」と店員さんに尋ねてCDを買った覚えがあります。そういえばある程度大きくなってからもまだ一生流れてました。どうかしてる。

そんな、聴くと友達が少なかった頃を思い出して心がギュッとくる曲をご紹介します。

Billy Joel『Just the Way You Are(素顔のままで)』

アメリカのシンガーソングライター、ビリー・ジョエルが1977年にリリースした曲で、当時の妻エリザベスに向けて書かれています。邦題の通り、「ありのままの君を愛するよ」という内容で、アナ雪に対する時空を超えたアンサーソングともいえます。いえません。

妻エリザベスは、ビリーのマネジメント業を通して陰ながら彼を支え、キャリアウーマン然とした雰囲気を持った女性でした。曲は終始、「流行りの服や髪色なんて、君がする必要はないよ」など、エリザベスに対するメッセージで綴られており、ビリーがいかに妻の内面に惹かれていたかが良く伝わってきます。

ただ、ビリーとエリザベスは1983年に、9年の結婚生活に終止符を打っています。そののちビリーはモデルなどの見た目重視な女性を中心に3回の結婚を繰り返しています。どないやねん。

ビリーの音楽活動だけを切り取れば、1970年代から1990年代にかかてヒットを飛ばし続けたスーパーアーティストであり、『Uptown Girl』や『Piano Man』など日本でもCMソングに使用された耳なじみのある曲を多く発表しています。アメリカの男性は自分の社会的地位に応じて妻をアップグレードしていく、という都市伝説を聞いたことがありますが、ビリーに限って言えばあながち眉唾話とも言い切れません。

さて、妻に送る美しい歌としてリリースされた曲ですが、その後ビリーが美人の妻をいくら取っ替え引っ替えしようとも、この曲の魅力が褪せることはありません。ボサノバライクなビートに乗せられたピアノとサックス、そしてビリーのアダルトな美声。これらすべてが、相手をありのまま愛することの素晴らしさを肯定してくれています。

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ゥア"ア"ア"ア"オ"!!◆James Brown『I Got You(I Feel Good)』

はじめに

ファンクって音楽ジャンルが何なのか知ってるよ~って人?はい、ありがとうございます。半々ですね。

音楽理論的にいえば、4/4拍子のなかで1拍目を強調した16分音符(16ビート)の反復が用いられ、休みなく動き続けるベースライン、細かく刻んだカッティングギターが特徴であり、民族でいえばアフリカ系アメリカ人が源流、ノリでいえば横ノリ系。その歴史の大樹は枝も多く、マイケルジャクソンやスティービーワンダー、レッチリジャミロクワイもファンクの影響を受けています。ブログタイトルにもなった「エモい」音楽の代表格です。

今回は四の五の言わず、そこはかにエモーショナルなファンクミュージックの代表曲、いや始祖曲といっても過言ではない一曲をご紹介します。

James Brown『I Got You(I Feel Good)』

もうファンク自体を掘り下げるつもりはないのですが、なにせジェームス・ブラウンはファンクの開祖。彼がファンクそのものであり、彼を語る事はファンクの歴史を語る事と同義になります。いまさらそんな長ったらしい話をしてもファンキーじゃないので、できるだけ内容をギュッとしてお話します。

『I Got You(I Feel Good)』はジェームスがファンクの形を掴もうとする中でリリースされた曲であり、ファンクの特徴を多く持ちつつ、厳密にはブルースのジャンルに分類されます。

ただ、冒頭のジェームズの「ゥア"ア"ア"ア"オ"!!」というソウルフルな叫びで始まり、「ごっつええ感じ!」と続く歌詞からはブルース(哀愁)は全く感じられず、陽気にダンスをしたくなるファンクの魂がすでに色濃く感じられます。

この曲がリリースされたのは1965年。ここから70年代はじめにかけて、ジェームスは数々のヒットを連発し、のちに多くの世界的アーティストに影響を与えるファンクミュージックというものを形作っていきます。

ファンクの定義にしっかり則って曲を作るストイックなファンクミュージシャンは数こそ少なくなりましたが、そのエッセンスは音楽業界全体へ無限に拡散しています。源流である偉大なアーティストの偉大なこの曲を聴いて、陽気に追悼ダンスをしましょう。きたるクリスマスは、ジェームス・ブラウンの命日ですから。


これから抱くぞソング◆Sade『Smooth Opreator(スムース・オペレーター)』

はじめに

紳士諸賢は、複数回のデートの末、そのつもり満々で女性を自宅へ迎え入れたとき、BGMになにを選ばれますか?

無論、ムーディーな曲であることは必要条件として、とはいえ、いざその時までは心の手越を隠してカッコつけたいのが男心。女性に警戒心を抱かせてはいけませんから、女性の鼓膜を心地よく響かせようと考えれば、ここはひとつ女性ボーカルでエキゾチックな選曲が最良ではないでしょうか。

今日は、そんなシチュエーションにぴったりな曲をご紹介しようと思います。

Sade『Smooth Opreator』

『Smooth Opreator(スムース・オペレーター)』、ズバリ「やり手の男」の歌です。

シャーデー1984年にリリースしたファーストアルバム『Diamond Life』に収録されていれた曲ですが、まず驚いたのがアンタらバンドやったんかい、という事。ボーカルのシャーデー・アデュさんと、ギターandサックス・ベース・キーボードの4ピースで編成されています。1982年から活動を開始し、途中に活動休止(解散)を挟みながらも、現在は再結成して活動を続けており、2018年には新曲もリリースしています。

ナイジェリア系イギリス人のシャーデーさんの、少しかすれた太い声がエロさを感じさせ、「やり手の男」の色気を見事に表現しています。歌詞だけで捉えると「やり手の男」はアメリカ全土を股に掛けるスマートな詐欺師のような印象ですが、ミュージックビデオでは銃を持っていたり警察っぽい人に尾行されていたり、結構きな臭いダーティーな犯罪者に描かれています。

どちらにせよ、紳士諸賢がムーディーでやり手の男になる為には、この曲の後押しが有効になることは間違いないでしょう。

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洋画で軍人の葬式に流れる曲◆『Amazing Grace(アメイジング・グレイス)』

はじめに

葬式といえば、我が日本は一応は仏教国なので、住職が読経している光景が浮かびます。ですが海の向こうの多くの国はキリスト教圏であるため、当然ながら住職も読経も一般的ではありません。スキンヘッドは日本より多い気がします。

あちらの葬式は、こちらで言う結婚式と似たようなイメージで、牧師さんがいて、聖歌隊が讃美歌を歌うか、もしくはバグパイプで追悼の音楽を演奏します。

今回は、讃美歌としてもバグパイプで演奏される曲としても非常に有名な曲をご紹介します。

(John Newton)『Amazing Grace


バグパイプと歌声を両方楽しめるケルティック・ウーマン版『Amazing Grace

讃美歌なので、もうホントに世界中でいろんな方が歌っています。バグパイプでも演奏されています。唐沢寿明版『白い巨塔』のエンディングテーマにも、ヘンリー・ウェステンラさんが歌う『Amazing Grace』が使用されていましたね。あのドラマは良かった。君の指図は受けんよ里見。

Amazing Grace』の作詞は1772年。もはや懐かしの洋楽とかのレベルではありません。イギリスの牧師ジョン・ニュートンが作詞し、作曲者は不明です。ジョンは『Amazing Grace』を書き上げるに至るまで、人生で大きな転換を経験しています。

ジョンの母は幼いジョンに聖書を読み聞かせる敬虔なクリスチャンでしたが、ジョンが7歳の時に他界。その後ジョンは船乗りの父に付いて海運を学び、アフリカ大陸から黒人を拉致して欧州で売りさばく奴隷商で財を成していました。

奴隷たちの扱いは家畜以下であり、狭い船内にすし詰めにされ、ロクに食料も与えられなかった奴隷たちは、道中の船内で脱水症や栄養失調、また感染症でその多くが命を落としていきました。ジョンもまた当然のように奴隷に対して酷い仕打ちを行っていましたが、あるときジョンが乗った船を嵐が襲います。

船は波に揉まれ、船倉には穴が開き、転覆寸前。敬虔なクリスチャンを母に持つジョンは、このとき人生で初めて、神に祈りを捧げ、真摯に命乞いをしました。

すると流出していた貨物が船倉の穴を塞ぎ、船は転覆を免れ、ジョンは一命をとりとめました。ここから彼は熱心に聖書や宗教書を読み漁ります。が、依然としてその後6年ほど奴隷商に従事します。バチ当たるで。しかしキリストは赦しの神、その後はジョンに大きな厄災が降りかかることは無かったそうです。1755年にジョンは牧師となり、1772年に『Amazing Grace(すばらしき恩寵)』を作詞します。

詩中でジョンは、黒人奴隷貿易に関わったことに対する悔恨と、それにも関わらず赦しを与えた神の愛に対する感謝を綴っています。このような背景から、「すべてキリストが赦し、天国へ導かれる」曲として、キリスト教圏では葬式の定番曲として、現在も連綿と歌われ続ける讃美歌となっています。

ちなみに牧師は職種名、神父は先生的なニュアンスの尊称です。

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アウトロドン映えする曲◆ Chase『Get it on(黒い炎)』

はじめに

イントロが特徴的な曲、いっぱいありますよね。そういうのはイントロドンで映える曲です。早押しの激戦に盛り上がる事必死でしょう。逆に、アウトロが特徴的な曲といえば…?

結成2年で解散したブラス・ロックバンドが1971年に発表した、アウトロドン向きな大ヒット曲をご紹介します。

Chase『Get it on』

ぜひアウトロドンに使ってほしい部分は動画の2:54あたり。最後のキメのところです。改めて聞いてみるとイントロも特徴的ですし、吹奏楽などでもよく耳にする曲です。ブラスバンド+ロックでブラスロックで、シカゴなどが同ジャンルの有名アーティストですね。

今回紹介している『Get it on(黒い炎)』が収録されているファーストアルバム『Chase(追跡)』で世界的なヒットを飛ばしたチェイスですが、各々が家族との時間を大事にしたいなどの理由により続々離脱し、セカンドアルバムの収録中に、結成2年も経たずして解散しています。

その後、リーダーのビル・チェイスがメンバーを新たに再結成し、3枚目のアルバムをリリースし復活を果たします。ところが同年8月、ツアー中に飛行機事故に遭い4人中3人が亡くなり、バンドは消滅します。生き残った1人を含めてサバイバー(ロッキー3のテーマが有名な彼ら)が結成されました。

運命に翻弄されたバンドでしたが、もう少し長く活動していれば、ブラスロックというジャンルはもっとメジャーなものになっていたかもしれません。

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お前らドイツ人やったんか!◆Dschinghis Khan『Dschinghis Khan(ジンギスカン)』

はじめに

1970年代中ごろから1990年代の終わりにかけて、クラブの前身であるディスコが大流行していました。バブリーダンスで若年層からの知名度を一挙に得た荻野目洋子の『ダンシング・ヒーロー』もまた、80年代中盤以降のディスコを大いに盛り上げた曲であります。

今回は、ディスコホールをぶち上げた数多くの曲の中から、随一のヘンテコソングをご紹介します。

Dschinghis Khan『Dschinghis Khan(ジンギスカン)』

まず歌詞は何語?ジンギスカンってチンギスハーンのこと?てことはモンゴル語?歌っているメンバーの妙に濃い顔と派手な衣装が、より一層この曲のコンセプトを不明にさせます。

彼らの正体は、西ドイツはミュンヘン出身のバンド。もちろん歌詞はドイツ語。1979年に発表されたこの曲は、聞いた通りモンゴル初代帝国ジンギスカンチンギス・ハーン)の凄まじい進軍の様子をドイツ語で歌っています。

現在、このバンドは東西ドイツのように分裂し、それぞれが互いの動きを全く把握しておらず、完全に独立した活動を行っています。

そもそも西ドイツのバンドである彼らとモンゴル帝国皇帝のチンギスハンとの繋がりがイマイチ掴めませんが、もしかすると1965年に公開された映画『ジンギス・カン』に西ドイツが共同制作者として加わっていたので、そのあたりからユーラシア史におけるモンゴル帝国が西ドイツの中で評価されていたのかもしれません。

ともかく、耳に残るワードがサビで繰り返されるこの曲は、日本のディスコ文化を彩った曲のひとつとして今も親しまれています。

それにしてもホンダFREEDのCMソングで使われているボニーMからして、あの時代のドイツのディスコバンドは怪人が多いです。


みんなの知ってる曲◆Linda Scott『I've Told Every Little Star』

はじめに

マツコの知らない世界』の曲。といえば、日本人の100人中100人が口ずさめるほど認知度が高い今回の曲。調べてみると結構な昔の曲で、リリースされたのは1961年。

60年代の名曲という僕たちの知らない世界を伝道してくれる人気番組の、メインテーマに使われる曲を今回はご紹介します。

Linda Scott『I've Told Every Little Star』

邦題は『星に語れば』。歌詞和訳サイトに載っていますが、けっこう乙女チックな曲で、1961年にリンダ・スコットがリリースした当時も日本でヒットしていました。その後、世界中でいろいろなカバーが生み出され、ロングヒットを記録しました。

本当の原曲まで遡れば1932年に『Music In The Air』という映画のために作られた曲で、曲名はそのまま『Music In The Air』。ミュージカルソングなので、オーケストラが演奏するインストゥルメンタル楽曲です。

 ↑ 原曲『Music In The Air

リンダ・スコット版と比較するとかな~りスローテンポで、メロディーも「よく聴くとそれっぽい」ぐらいにしか似ていませんが、のちに時代を超えて愛されるヒット曲を生む偉大な原曲です。

2016年にハロプロアイドルのカントリー・ガールズが『ランラルン〜あなたに夢中〜』というタイトルでもカバーしていますが、歌詞などは原型を留めておりません。なかなか賛否が割れるアレンジとなっておりますので、こちらの視聴は自己責任でお願いします。しかしこうなってくると、今後もまだまだ色々なアーティスト・プロデューサーによる意欲的なアレンジが期待できる曲でもあります。

そういえば「マツコの知らない世界」のナレーションは、アーノルド・シュワルツェネッガーの吹替でおなじみの玄田哲章さんでした。声優さんの表現の幅ってすごいですね。

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筋肉タレント応援歌◆Survivor『Eye of the Tiger』

はじめに

バラエティ番組でよく使われる挿入曲、みなさんいくつ思い浮かびますか?僕は残念ながらCMソングの方がなぜか惹かれるので、パッと思い浮かぶのは3曲くらいです。

今回は、バラエティで筋肉タレントが体当たり企画にチャレンジするシーン、また企画に臨むため特訓するシーンで多用され、元は映画のテーマソングだった曲をご紹介します。だいぶ絞られましたかね?

Survivor『Eye of the Tiger

1982年にリリースされたこの曲は「ロッキーのテーマ」とよく言われていますが、実際にこの曲がテーマソングとして使用されたのは『ロッキー3』。アーティストはサバイバーというバンドで、こちらも曲に似合ったストロングなネーミングです。

ロッキーシリーズの主演俳優シルベスター・スタローンの依頼で書かれたこの曲をひっさげ、サバイバーはビルボード1位を獲得し、トップアーティストへ駆け上がります。

ところが、この曲がリリースされた直後にサバイバーはボーカルが変わり、一般の音楽ファンからすれば全く別のバンドになってしまいます。しかしここからまたサバイバーの躍進は続き、1980年代中盤にはトップ10ヒットを4作連続でリリースし、人気を不動のものにしていきます。

そうかと思いきや音楽性がヘヴィメタに寄っていき、メンバー間の対立でベースとドラムが離れていきます。そこから残ったメンバーのソロ活動が目立ち、ついには1989年から完全な活動停止かつ解散寸前状態に陥りました。1993年から徐々に活動再開し現在に至りますが、ボーカルが心臓発作で死去したこともあり、なんと現在は当初のメンバーは1人も残っていません。現在のサバイバーファンはいったい何に対してサバイバーと呼んでいるのか。

そういえば各界アスリートの入場曲にも非常によく使われており、非常に骨太なロックサウンドの『Eye of the Tiger』。これを聴けばランニングに出かけたくなる、モチベーションアップの鉄板ソングです。