ゥア"ア"ア"ア"オ"!!◆James Brown『I Got You(I Feel Good)』
はじめに
ファンクって音楽ジャンルが何なのか知ってるよ~って人?はい、ありがとうございます。半々ですね。
音楽理論的にいえば、4/4拍子のなかで1拍目を強調した16分音符(16ビート)の反復が用いられ、休みなく動き続けるベースライン、細かく刻んだカッティングギターが特徴であり、民族でいえばアフリカ系アメリカ人が源流、ノリでいえば横ノリ系。その歴史の大樹は枝も多く、マイケルジャクソンやスティービーワンダー、レッチリやジャミロクワイもファンクの影響を受けています。ブログタイトルにもなった「エモい」音楽の代表格です。
今回は四の五の言わず、そこはかにエモーショナルなファンクミュージックの代表曲、いや始祖曲といっても過言ではない一曲をご紹介します。
James Brown『I Got You(I Feel Good)』
もうファンク自体を掘り下げるつもりはないのですが、なにせジェームス・ブラウンはファンクの開祖。彼がファンクそのものであり、彼を語る事はファンクの歴史を語る事と同義になります。いまさらそんな長ったらしい話をしてもファンキーじゃないので、できるだけ内容をギュッとしてお話します。
『I Got You(I Feel Good)』はジェームスがファンクの形を掴もうとする中でリリースされた曲であり、ファンクの特徴を多く持ちつつ、厳密にはブルースのジャンルに分類されます。
ただ、冒頭のジェームズの「ゥア"ア"ア"ア"オ"!!」というソウルフルな叫びで始まり、「ごっつええ感じ!」と続く歌詞からはブルース(哀愁)は全く感じられず、陽気にダンスをしたくなるファンクの魂がすでに色濃く感じられます。
この曲がリリースされたのは1965年。ここから70年代はじめにかけて、ジェームスは数々のヒットを連発し、のちに多くの世界的アーティストに影響を与えるファンクミュージックというものを形作っていきます。
ファンクの定義にしっかり則って曲を作るストイックなファンクミュージシャンは数こそ少なくなりましたが、そのエッセンスは音楽業界全体へ無限に拡散しています。源流である偉大なアーティストの偉大なこの曲を聴いて、陽気に追悼ダンスをしましょう。きたるクリスマスは、ジェームス・ブラウンの命日ですから。