ベーシストを明るくする曲◆Cheryl Lynn『Got To Be Real(ガット・トゥー・ビー・リール)』
はじめに
むかし、コピーバンドを組んでいました。僕はベース担当で、2年くらい活動していたと思います。1度だけライブハウスでライブをした経験もあります。ライブをした直後、燃え尽き症候群で飽きてベースから遠ざかり、バンド活動もおろそかになり自然脱退しました。メンバーには迷惑をかけたと反省しています。しかもバンドメンバー募集掲示板みたいなとこで、募集をかけたのは僕でした。
さて、バンドでコピーしていた曲は、みんな大好きONE OK ROCKやback numberなどのJロック路線でしたが、僕の趣味は今と変わらずなつエモ洋HITsだったので、その中でもベースが効いてるモータウンの曲やディスコナンバーをチョイスし、スタジオで個人練習していました。ベースの個人練習って独特な雰囲気で、重たいベースを抱えて淋しくボンボンやってるとだんだん陰鬱な気分になるものでしたね。ベースとドラムはリズム隊としてタッグで練習することが普通なのですが、ドラム担当が女性だったので、若く繊細だった僕は妙に意識しちゃって「2人で練習しようや」とはよう言えませんでした。
そんな陰鬱で短いベース人生の中で、とりわけ練習が楽しくてアガるフレーズが印象的だった曲をご紹介します。
Cheryl Lynn『Got To Be Real(ガット・トゥー・ビー・リール)』
アーティスト名はシェリル・リン。
1978年にCBSソニーと契約すると同時にリリースされたアルバム『Cheryl Lynn』に収録されたこの曲は、ダンスナンバーとして当時のディスコブームに乗りスマッシュヒットを記録します。当時、ディスコでこれをかけないDJはブーイングを食らいまくってたらしいです。
小気味よいベースグルーヴが含まれていながら、リズム重視のイケイケダンスナンバーというよりは、どちらかといえばメロディー指向の曲であり、これがディスコで流行ったのは、否が応にも期待値が上がるイントロによるものかな、と勝手に解釈しています。
でもやはり特筆すべきは彼女の歌唱力。幼いころから教会でゴスペルを歌っていたという事で、品が良くソウルフルな低音からしっかり張った高音まで、声域もハンパないです。
今なおダンス・クラシックとして語り継がれる『Got To Be Real』。この曲のレコーディングでギターを演奏しているのは、なんと以前『Ghostbusters』で紹介したレイ・パーカー・Jr.。個人的には、一週間の仕事をやり終えた金曜の帰宅中に聴くと、ことさらテンションが上がります。ゴキゲンな週末の始まりだ!的な。